自宅で撮る、スタジオで撮る、ホールで撮る、すべて環境が異なります。なにをしたいかにより、用途に合わせた機材を用いた方がスムーズです。
距離や照度、光量が違うので、自宅にて配信を考えている場合はYouTuberさんがどうやってるのかを確認なさるのをおすすめします。
一般向け→室内配信向けの機材はそのように作られているので、とても便利です。
今回はスタジオやホールで映像を撮る時の照明とは、という形で書きます。
普通に舞台公演を撮っても映像にはなりません。
試しに舞台に明かりに仕込んで撮ってみるというのがいいかもしれません。
人は見えますでしょうか?
おそらくハレて飛んでしまっているかと思います。
お客さんが見るのは、役者や演者が存在する【空間】ではなく、【人】になります。
説明が難しいのですが、額縁の中を見るようにプランし、構成する必要があります。
これは演劇やミュージカル、コンサートの現場をメインにしていると切り替えが結構難しいんですが、ここが本当に肝心です。
考え方の切り替えが必要になります。
そして必要な技術の切り替えですね。
まず1つに、その場(劇場)にいる人のための明かりにしないこと。
ここで見てる自分にとってカッコいい、という照明にしないこと。
お客さんは画面の向こうで見るので、まず、お客さんは画面を見るのだということを徹底して意識してください。
意識する、確認するのは全て、モニターになります。
モニターを仕込みましょう。
カメラを準備してモニターを繋いでください。モニターがなければ、テレビでもいいです。HDMI→Cでスマホをカメラ扱いしてテレビに繋いでもいいかもしれません。ミラキャス、便利ですよね。いいかもです。
モニターが仕込めたら、何をするにしても、とにかく常にモニターで確認してください。
技術の話にいきます。
見るのは常にモニターです。
しつこいくらいに言います。モニターを見ましょう。
光を当ててみて、画面に写ったときの肌の美しさを確認してください。
テカらせない。ハレちゃって見えないのはだめです。モニターに美しく人が出る明るさにゲージ絞ってください。
ピンは明るすぎるので、カメラのホワイトバランス調整の際にモニター確認でpinをどこまで出していいかバミっておきましょう。
カットインでフルゲージにしない。
勢いよくついつい開けきりがちですがダメです。開け切りはバミリまで。
ダウザーは開けきりません。モニター確認しつつ常にダウザーを調整を。
ピンの明るさについてもう一つ。
光軸が均一である必要があります。そして、ピン全部が均一である必要があります。この時に必要なのが照度計です。
ホワイトバランス調整してバミってフルゲージを決めても出あかりにムラがあると台無しになります。
照度計は複数本pinを使う時に均一をとれます。
ピンに限らずなのですが、映像にするときに前から顔にあたる明かりによく用いるのが、コンバージョンフィルターです。
コンバージョンフィルターは色温度調整のためのものです。
通常はあんまり演劇やコンサートで使いません。
これを機材特性にあわせて使いこなす必要があります。
機材特性とは、というと、例えば電球はオレンジがかっていて、電極放電タイプ(例えばピンやムービング)は青っぽいと思います。これをこのまま映像で使うと画に合わないということが多々あります。
モニターを見ましょう。
オレンジがかった照明は赤ら顔に、青っぽい照明は顔色悪く見えたりします。
そこでコンバージョンフィルターを使います。
オレンジがかった光源の灯体を使うのであればB系を。
青っぽい光源の灯体であればA系を使います。
そしてモニターで確認。
肌が美しく見えているか、画と調和しているか、浮いて見えないか、などを確認します。
コンバージョンフィルターの通常のカラーフィルターと異なる点が肉眼で見た、見た目の色を気にするためのものではありません。
モニターに写った肌の色や衣装の色を、よく確認して気にするように癖付けるのが肝心です。
また、衣装にカラーフィルターがのると色が変わるので、その色味も確認を。
あとは減光フィルターあると便利です。光量調整が微妙に出来ない時に使えます。
映り込み防止にも使えます。
モニターって明るいので、確認のために明るくするととっても光ります。減光フィルターをのっけてモニター確認などもありです。
お客さんが画面暗くして見る雰囲気も掴めます。
ディフュージョンフィルターも要ります。
光を分散させて散らせることで顔の凹凸が穏やかになります。光による陰影がハッキリするというのは、威圧感を与える効果があるので、ふんわりと。
レフ板って光を反射させてあてるものですが、あれを灯体側で先にやる、というためのものですね。
プランとシュートの違いはやはり画を意識するか、というところです。例えばホールで撮影をするのであれば、カメラの置き位置は決まってきます。
では、演者はどこに立つか。動き回るにしても、置き位置によりカメラが撮れる画が制限されます。そうなったときに、画の中で明かりがどうなっているか。
その場で見えてるビームがいくら美しくてもダメです。
☆の位置にカメラを仕込んだとします。アーティストを撮った時に正面から明かりを見ると1枚目。
その明かりをカメラがアーティストを写したときの画が2枚目だとNG、3枚目だとokです。
肉眼でみて良い、のでなく、モニターを見てください。
ざっくりとですが、基礎的な違いを書かせて頂きました。
テレビや配信をしなければならなくなったときに一助になれば嬉しいです。
ただ、これ以外にも来場してもらってお客さんに直接鑑賞してもらう、というのと映像では技術が異なる点が多々ありますのでご確認くださいませ。
また、私の知識は○年前のものです。
機材精度向上により、今は気にしなくても良くなっている、などがあるかもしれません。
あくまでもご参考に、で、よろしくお願い致します!